ひと段落


もう朝だか夜だかわかんない時間ですが、ゲームのシナリオが終了しました。
あとはチェックの人にお任せだ。とりあえず自分の仕事はこれで終了。


いやー、疲れた。
期間が長いから、その間ずっとテンションを維持するのが、特に。


そもそもがゲームのシナリオって、絵とか音とかと同じく素材のひとつであって、完成後にいろんなセクションを渡る中で直されることを前提としてかかれるものだから、俺流の「プロット命、伏線大好き、書く前に基本的なストーリーは出来上がっていて当然」というやり方とは正反対の性質なのですよ。


ようするに、ストーリーや設定を途中で変えるな! テキストは一文字たりとも足したり削ったりするな!という作家性はシナリオライティングには不必要だと考えられているわけです(ゲーム全体の責任を取れる、いわゆるディレクタークラスの人がライターじゃないと、この改変が無断でやられることがあるしね。判例では否定されてるけど、無断改変とかもない話ではないわけで)


だもんで、そういうものと分かっていても、やっぱり書いてると疲れる。物理的にというよりも精神的に。


自分の書いた話とまるで違うものが自分の名前で出て行ってしまう中で、一文字でも多く自分の書いたテキストを残そう、という気持ちのまま良いものを書き続けるというのは、そうとうな意志の力が求められると思う。


そう考えるとシナリオライターってすげぇわ(まあ、それが嫌な人が、ディレクター件シナリオライターになるんだろうけどね)。


まあ、今回の件で、途中で設定が変わったら全部書き直しになるだろ常考という考え方の人は小説家。なんとかつじつまを合わせてしまおうってことができるのがシナリオライターなんだろうなと思った。


ようするに絵が完成してるのにゲームの中身やテイストさえも変わっていくのがゲームの現場、と。


だけど最初のプロットをもとに描いてもらったイラストを、すっかり内容が変わってしまったストーリーの中に組み込むって時点で、そりゃ絵とテキストの辻褄はあわなくなるじゃろて……(なんとか合わせるけど、そうなってしまうこと自体が俺からすると信じられんのよ)。
いや、ほんとシナリオライターって(ry


あ、シナリオライターってすげぇわと言えば、最近ハマッている「魔法少女まどか☆マギカ」の脚本をやっている虚淵玄さん。


この人の台詞回しは、ほんとゾクゾクする。
本来いい意味で使われるだろう言葉を、違うニュアンスとして使ってしまう腕は、ぜひとも真似したいところ。


まあ、台詞がうまい、単品としても生き残れる台詞を作れるというのは、上記の件を考えるとシナリオライターとして生き残るための必須条件なんだろうなぁ。
実際、「もう何も怖くない」は「大丈夫だ、問題ない」と並ぶ死亡フラグな台詞に変質させられちゃったしね!


しかしこういう台詞が出てくると、文字を書いてる人間としては今まで普通に使っていた台詞なのにすべてパロディとして捉えられるから、やり辛くなるんじゃよ!(笑)
……こういう台詞を自分で生み出せたら、してやったりな気分になれるんだろうなぁ……。


なるほど。勝負の世界じゃわ。