綾辻行人「十角館の殺人」


叙述トリックが素晴らしいとの噂のあった推理小説十角館の殺人


いつか読まにゃと思いつつ、放置していた小説(新装改訂版)をようやく読み終わりました。


ちくしょー!
402ページめ!
うえぇえぇえええっ!? ってなったよ!


有名なので筋は簡単にしか書かないけど、


雪山の洋館モノとされる、いわゆるクローズドサークルミステリー。
大学の推理小説研究会の面々が、孤島にある十角形の形をした館に一週間泊まる中で、正体不明の犯人による連続殺人事件が発生するという、これぞ王道という内容。
島での犯人探しと本土で過去の事件を調べる研究会のメンバーとの活動が交互に展開し、現在と過去の事件が結びついていく。


あー、これはやられた。
そして誰もいなくなった』を知ってるとダマされるな、これ。
しかし、事件の真相が犯人の心の声ですべて明らかになるってのは、なんとなくドラマの探偵物とかを想像していた人間にとっては「あれ? 探偵が推理を披露しないんだ?」と拍子抜けした感はあった。悪いってわけじゃなくて、こういうものもあるんだという感じ。それにラストに漂着したガラス瓶は、なかなか良い後味を残してくれるよねぇ。
これはぜひ2回読みたい推理小説だ。


しかしこれ、映像化できん作品だよなぁ。